声楽的に、意外と難しい「エリーゼのために」

私はピアノ教室(正しくはピアノ兼声楽教室)に通って久しいですが、未だに多くのピアノを習われる方の憧れの作品である「エリーゼのために」を弾くことが出来ません。私もこの作品には思い入れがあり、初めて購入したピアノピースはこの作品です。ですが当時初心者の私とっては例えようもなく難しい作品でした。そして今でもその気持ちは変わりません。

私は声楽を基にしたピアノのトレーニングを受けました。ですので純ピアノ独奏曲である「エリーゼのために」には歌いづらい旋律が多く含まれているように感じたのです。ピアノ独奏曲は、(初心者向けの、主旋律が明らかに浮き立つ作品を除いて)多くの作品が流動的な旋律を旋律を奏でます。決して歌では歌い切れないものも多く、右手と左手の旋律が複雑に交錯する事もあります。ピアノ独奏曲についてはレパートリーが無いにも等しい(現在では何とか1曲だけを維持している状況)私ですが、「エリーゼのために」は意外と歌いづらい作品である気がします。音の跳躍も多く、歌ってみても声楽向きの作品では感じを拭えません。
この見立ては私の主観です。もしも別の方が「エリーゼのために」について記事を書かれるならば、違った見立てが出来るでしょう。ですが少なくとも私の場合には、歌って音の感覚を掴み切って、指の動作に置き換えることが容易ではありません。
多くのピアノ練習法の本には、歌うように弾くことが、これでもかという位に強調されているのを目にします。ですが声楽的な歌い易さを考慮すれば、歌いづらいピアノ独奏曲の作品が多いと感じています。歌うようにと言われて歌ってみても、ピアノ独奏曲では歌のイメージを捉えるのには不向きな作品も多いのでは無いでしょうか。私の場合は、「エリーゼのために」にはそういった歌いにくい箇所が多く、断念してしまいました。
同じ独奏曲でも声楽作品に造詣が深かったシューベルトの作品の方が、比較的どの作品も歌い易い気がします。
初心者さんはまず主旋律が明らかに浮き立つ作品を意識的に選曲するべきでしょう。それの方が歌の感覚を深く養うことができ、他のピアノ独奏曲にも上手く応用が利くでしょう。憧れの「エリーゼのために」ですが、私自身も私の先生も、その独特の難しさには両者合点しています(いつも意見が合わなかったり、私が上手く汲み取れなかったりして、そりが合わないのですが、なぜかこの点だけは一致しています)。

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